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悪質クレーマーには複数で対応する

ビジネス会話術 - 悪質クレーマーには複数で対応する

悪質クレーマーは基本的に一秒でも早く金品をせしめて、けりをつけたいと思っています。ひとつのクレームで得られるものなど、案外たいしたものではありません。時間をかければ割が合わなくなります。また、自分が悪いことをしている罪悪感と、長期戦になることで自分に及ぶ身 の危険を考えると、どうしても短期決戦が望ましくなるのです。


しかし中には長期決戦を挑んでくるツワモノがいます。こんなクレーマーは本当に悪質なプロクレーマーか、世の中を知らない間の抜けたクレーマーのどちらです。


プロクレーマーが長期戦を挑んでくる場合、それは絶対にクレームで成功をおさめられるだけのネタを持っている可能性があります。公になると企業がまずいことになったり、社会的に問題になってしまう、メディアが喜びそうな不祥事を隠し持っている場合も考慮して、慎重に対応すべきです。


慎重に対応するには、単独よりも複数で対応するのがいい方法です。大きなネタを持ってる場合、そのクレーマーへの対応は、1日で終わるとは限りません。場合によっては、数週間、数ヶ月と長期間関わっていく必要があります。


こうなると精神的にも肉体的にもかなり疲れます。疲れた体や気持ちで対応してしまうと、交渉中にボロも出やすくなります。うっかり不用意な言葉を漏らしてしまえば、さらに追い込まれることになりかねません。


また、クレームによるストレスで心の病気にかかってしまうケースも多く聞かれます。クレーマーから早く解放されたい一心で投げやりになり、理不尽な要求を呑んでしまうことだって考えられます。


ひとりで対応することは、クレーマーにとっては好都合ですが、お店や企業としては、なるべく避けるべきことです。複数の人間で一丸となり対応すれば、一人で問題を抱え込むこともありません。気持ちの持ち方が全然違ってきます。


交渉役と下調べ役に仕事を分割したりすれば、一人の人間がクレーマーに携わる時間を大幅に少なくできます。長期戦を望む悪質クレーマーには、連係プレイで挑むのが正しい対処法です。


ただしあからさまに複数でクレーマーに挑むとこんなことになるかもしれません。


・クレーマーに複数で対応すると・・・
クレーマー「なんでお前ら3人で来るんだ?」

メーカー 「大切なお客様との交渉はできるだけ複数で対応させていただくのが、当社の決まりになっております」

クレーマー「あっそう。それじゃあこっちも相談役で二人用意するから、2時間後にまた来てくれる」

お店や企業側が複数で対応すると、向こうも負けじと人数をそろえる場合もあります。すると仕切りなおしです。


また、クレーマーに呼び出された先が、暴力団の事務所だったというケースもあります。


落ち合う場所がヤバい場所だと思ったら、絶対に足を踏み入れてはいけません。万が一暴力を振るわれて、取り返しがつかないことになりかねません。「話し合いをするだけだから、大丈夫だよ」こんな油断は危険です。相手は悪質クレーマーなのです。一般常識は通用しないことを忘れないでください。


クレーマーが一般人ではなく危険な人たちだとわかったら、前もって、指定の場所にはいけないことを告げましょう。「近くまで着きましたら連絡いたしますので、近くの喫茶店まで足を運んでいただけますか?」こう断っておけば、意外と素直に応じてくれるものです。そういった人たちは密室で交渉すると、あとで「脅された」だの言われ場合、問題になることを知っています。向こうとしても話がこじれると面倒なので、公の場は都合がいいのです。


またクレーム交渉時は、こっそりと録音しておくことも忘れてはいけません。もし恐喝や脅しのような行為があれば、記録した音声が証拠になります。少しでも身の危険を感じたら毅然とした態度で対応しましょう。


冷静な話し合いでなく脅しが行われるようなら、すぐに退散して構いません。身の安全が最優先です。


・身の危険を感じたらすぐに退散を・・・
クレーマー「テメー、俺をバカにしてんのか。ぶっ殺すぞ!!(バコーンと机を蹴り上げる)」

メーカー 「お客さま、今日はとても話し合いができる状態ではありませんので、日を改めさせていただきます」

クレーマー「ふざけんなこら!まだ話は終わってねーんだよ!!(胸ぐらを捕まれる)」

メーカー 「退出させていただけないのであれば、警察に通報します!!」

部屋を出たい相手を無理やり閉じ込めれば監禁です。現行犯逮捕になります(刑法220条)。「警察に通報する」と告げれば、クレーマーは開放せざるをえません。


監禁まではいかないが、クレーマーが延々と話し続けて、何時間たっても一向に話が進展しないケースもあります。こんな状態のときも一旦交渉を打ち切って、仕切りなおしたほうがいいでしょう。


金品目的でないクレーマーには、一人暮らしの寂しさを紛らわすためや、抱え込んだ不満のはけ口として、クレームをつける人がいます。もし遭遇したクレーマーがこのケースに当てはまるなら、すばやく見極めることが、早期解決につながります。


今の時代、話し相手を欲している高齢者がたくさんいます。そういう人たちにとっては、クレーム対応であれ、相手にしてくれることがうれしいのです。話をしても同じことばかりの繰り返しで話が進展しない、交渉から話が脱線して、見当違いの話題や言い掛かりで長時間拘束するケースが増加しています。お店や企業にとっては、時間の無駄になります。本題以外の話は、キッチリ断りましょう。


クレーマーの事情がどうであろうと、長期戦になりそうなら、普段一人のクレーム処理も、きちんと仲間と情報共有して助けを求めることが大事になります。