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元悪質クレーマーの武勇伝(効かないエアコン 編)

ビジネス会話術 - 元悪質クレーマーの武勇伝

当時、引っ越したばかりの「元悪質クレーマー」は、新しくエアコンを購入することにしました。これまで住んでいた部屋は、エアコンが備え付けの部屋だったのですが、新しい部屋にはありません。自分で用意する必要があったのです。


13畳のリビングを快適にできるエアコンをカタログや店頭で検討します。しかし、13畳もの広さを涼しくできるエアコンとなると、エアコンの中でも大容量の部類に入り、金額も高くなるのです。お金に余裕がなかった「悪質クレーマー」は、クレームを付けることを前提に8畳用のエアコンを購入しました。


時期は7月下旬で、エアコンをつけないとやってられないくらいの暑い日だったそうです。8畳用のエアコンをつけてもらったのですが、予想通り13畳の部屋ではパワー不足でした。「まったく涼しくならない!」と彼は怒りがこみ上げてきます。


説明書に書いてあったメーカーの相談窓口に電話をかけます。「涼しくないからすぐ点検してくれ」とだけ告げ、多くを語りません。言いたい事はたくさんありましたが、それは訪問時にとっておこうと思ったのです。


訪問を依頼をした翌日、点検スタッフがやってきました。


・メーカー点検スタッフとのクレームのやり取り
ピンポーン(インターホンがなります)
点検員 「○○電機から着ました、○○です。エアコンの点検に伺いました」

クレーマー「おう、待ってたよ。早く見てくれ」

店員  「どちらのお部屋ですか?」

クレーマー「こっちなんだけどね、どうなってるの?」

店員  「一度電源を切りますね(電源を切り、再びつける。噴出し口に手をかざし)冷たい風は出てるようですね」

クレーマー「全然冷えねーんだよ」

店員  「こちらのお部屋の広さわかりますか?」

クレーマー「13畳くらいじゃね」

店員  「そうですか、そうするとエアコンの容量が足りてないかもしれませんね」

クレーマー「???(わからないふり)」

店員  「エアコンにも問題ないようですけど、パワー不足で涼しくならないんですよ」

クレーマー「だったら早く直してよ」

店員  「え!?この部屋の広さに対して、こちらのエアコンのサイズが小さいので部屋を涼しくするのにすごく時間がかかるんです。時間はかかるかもしれませんけど、徐々に涼しくなってくるはずです」

クレーマー「全然涼しくならねーんだよ」

店員  「エアコンは正常に動いており、問題ありませんでした。サイズが小さいのでどうしても効きが悪くなってしまうんです」

クレーマー「効きを良くするにはどうすればいいんだよ(バカなふり)」

店員  「このサイズのエアコンですと、どうしても涼しくなるのに時間がかかってしまいます。このエアコンは他の小さい部屋に使っていただいて、大容量のものに取り換えるか、部屋の反対側に、もう一台冷却装置を用意していただければ、改善します」

クレーマー「新しいものに付け替えろってどういうこと?おたくが新しいものに付け替えてくれるの!?じゃあささっさとそうしてよ!」

店員  「私は修理スタッフですので、製品に異常がないかを確認することしかできないんです。有償でよろしければ、営業スタッフを派遣することができますが、ただ新しく購入するなら家電量販店で買っていただいたほうがお安く済むと思います」

クレーマー「はあ!?なに金取ろうとしてるんだよ!あんたメーカーの人だよね!エアコンって涼しくするための道具だろ!?なんで涼しくならねーんだよ、おかしいじゃねーか!!」

店員  「部屋のサイズに対してエアコンのパワーが小さいから効きが悪く感じるだけなんです。製品に異常はありません」

クレーマー「わからねーなぁ。製品に異常がねーんなら、どうして効きがわりーんだよ。おまえんとこの製品に問題があるとしか考えられねーだろうが」

店員  「ですから・・・」

クレーマー「殺す気かこのやろー!こんなあちーんじゃ死んじまうだろーが!!責任取れよ!!」

こんな感じでクレーマーはバカなふりしてねちっこく点検員に詰め寄ります。「涼しくならないのはおまえのところの製品に異常があるからだ。どうにかこの暑さを解決しろ!」と点検員を責め、遠まわしに、大容量のエアコンを要求します。具体的には絶対口に出しませんが。


埒の明かないと感じた点検員は、途中「一旦戻って検討させていただきます」と逃げ出そうとします。しかしクレーマーは逃がしません。「部屋を涼しくなるまで帰るんじゃねー、殺す気か!」と一喝。


粘ること4時間、とうとう点検員が折れます。「容量の大きいものと交換できるか社に戻って相談します」と提案。帰ることは認めず、電話で確認取らせて、OK を出させました。その2日後、エアコンは大きな物に取り替えられたそうです。


一人で悪質クレーマーにつかまると、「早くこの状況から開放されたい」という気持ちが大きくなります。「諦めてクレーマーの要求を呑んでしまおうか」とも考えてしまうものです。そう思わせることがクレーマーの作戦です。


こんな場合は、応援を呼ぶか、毅然とした態度で断るとクレーマーをあきらめざるを得ません。長時間部屋に軟禁することは犯罪ですから、進展しないと思ったらキッパリと一時退却しましょう。


クレーマー曰く「この方法での勝率は50%。メーカーによって対応の仕方がはっきり違っていて、ゆるいメーカーに当たれば、ラッキー」だそうです。