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元悪質クレーマーの武勇伝(スキンケア会社のお客様窓口 編)

ビジネス会話術 - 元悪質クレーマーの武勇伝

「悪質クレーム」に打ち勝つには、クレーマーの手口を知ることが大事です。クレームのパターンを知っておけば、相手が次にどう行動するかもある程度予測ができます。次の行動が読めれば先手を打つことだって可能です。

「元悪質クレーマー」である彼がどんな人物かを知っていただくために、実際に彼が起こしたクレームの成功例(お店側からすれば失敗例)を紹介します。


■スキンケア会社のお客様窓口 編


「元悪質クレーマー」が実際に行ったクレームの記録がテープで残っていました。テープを音声としてそのまま公開したかったのですが、声を知られたくないという彼の希望で断念。録音テープを書き起こしました。


クレームの相手は大手スキンケア会社です。お店で購入し使った商品で、肌荒れのトラブルに見舞われた彼は、腹を立ててクレームを起こします。購入店ではなく、購入した商品のメーカーが相手です。

・クレーム電話、録音テープの書き起こし
トゥルルルルル、ガチャ(電話をとる音)
担当者 「お電話ありがとうございます。○○製薬お客様相談センター、△△でございます」

クレーマー「おい、お宅で出してるニキビを直すクリーム使ったんだけどさ、朝起きたら顔にブツブツができてたんだけど、どうなってんの?」

担当者 「それは大変申し訳ございませんでした。とりあえずすぐにご使用を中止していただき、様子を見ていただきたいのですが・・・よろしいでしょうか?」

クレーマー「もう使わないけどさ、どうしてこんなことになっちゃうの?理由を聞かせて!!」

担当者 「ご使用になった商品のお名前を教えていただけますでしょうか?」

クレーマー「○○クリーム!」

担当者 「ありがとうございます。お客様、恐れ入りますが、過去にクリーム状の似たような商品をご利用いただいて、同じような症状を経験をされたことはないでしょうか?」

クレーマー「ねーよ。あんたんとこだけだよ。何入れてんだよ。ヤバイモン入ってんじゃねーのか!?」

担当者 「そちらの商品、にきびの炎症を抑える成分は入っていますが、すべて自然から取れるものを使用しています。ただ、お肌のトラブルにはさまざまな原因が考えられます。その時々の体調なども大きく影響しますので、ご使用前にパッチテストを行っていただくようお願いしていますが、そういったチェックはやっていただきましたでしょうか?」

クレーマー「何言ってんの?しらねーよ」

担当者 「商品の裏面の『ご使用前の注意点』に記載がございます。まだお済みでないなら、商品がお客様の肌にあってない可能性もございます」

クレーマー「はあ!?こんなちっちゃい字いちいち読んでる奴がどれだけいるんだよ。こんなもんおたくらが『何かあったとき』の言い訳に書いてあるだけだろうが。そもそも、購入した後で肌に合わなかったらこっちは大損じゃねーか。あんたら詐欺集団か!?」

担当者 「申し訳ございません」

クレーマー「申し訳ございませんじゃねーんだよ。こっちはこんな顔になって仕事も休んだんだからな、どうしてくれるんだよ!?え!?」

担当者 「原因がはっきりしないと、こちらとしても対処の使用がございませんので、病院で見てもらうことはできますでしょうか?」

クレーマー「バカヤロー!!こんな顔で外出れるわけねーだろ」

担当者 「申し訳ございません。それではこちらからスキンケアトラブルの専門スタッフをお客様の元に向かわせますので、いつならよろしいでしょうか?」

クレーマー「今すぐ来い!!1時間以内な!!それと責任者も一緒も連れて来いよ。謝ってもらわないと気がすまない!!」

担当者 「1時間以内にいけるかどうか約束はできませんが、お名前と住所と、念のためお電話番号を教えてもらえないでしょうか?」

このあと、「元悪質クレーマー」が名前と連絡先を告げると、実際に1時間ほどで専門スタッフとお客様窓口の責任者が来たそうです。


肌は実際に腫れていましたが、アレルギーテストをしてもらったら、陰性。肌が荒れてしまった原因は、ハッキリとわかりませんでした。そのため、スキンケア会社はとくにお詫びもせずに帰っていこうとしました。しかし彼はクレームのプロ。あっさり帰すわけがありませんでした。


因果関係がはっきりしないにもかかわらず、肌の異常はクリームが原因とゴネまくります。ゴネまくること4時間超。長期戦の末、戦利品を勝ち取りました。内容は、商品代金と菓子折り、メーカーで扱う10万円相当の美顔器!!


元悪質クレーマー曰く、「手っ取り早くクレームを成功させたいなら、自宅に招くときは、決済権限を持つ責任者を一緒に呼ぶこと。いくら上手に文句をつけても、その場で結論を出せる者がこないと手間がかかる」そうです。また、「もし電話口で企業側が頑なに病院の診断書の提出を求めたら、めんどくさくなって辞めてたかも」とも洩らしていました。クレーマーによって違うでしょうが、クレームの動機はかなりいい加減なのかもしれません。


今回のクレームのきっかけは、企業にも落ち度があります。クリームの成分・危険性についてしっかり告知しておくべきだったでしょう。わかりやすく警告しておけば、クレーマーに目を付けられずに済んだはずです。


「クレーマーにも悪いことをしている意識はある。長期戦になれば、ボロがでる可能性が高まるので、相手が長期戦で挑むのならあきらめて、別のターゲットを探す」とも元悪質クレーマーは言います。


企業が、原因がはっきりするまで、クレーマー宅に伺ったり責任者を同行させる行為を避けていれば、今回のクレーム被害は防げたかもしれません。