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誉めや特別扱いでお客の怒りを静める(クレーム解決の実例)

ビジネス会話術 - 誉めや特別扱いでお客の怒りを静める

心の寂しさはクレーム原因のひとつです。自分の気持ちを理解して欲しい、話し相手になって欲しい、お客として丁寧に扱って欲しい、そんな気持ちが満たされないと、苦情が起こります。


次のクレーム実例は、家電量販店で起きたものです。対応した店員がクレーマーの心を満たして、高額商品の返品を回避しました。特に重要な部分は、青字になっています。


・心の寂しさから起きたクレーム実例。お客の心を満たす話し方
お客「ちょっといいかしら」

店員「はいお客様、いかがなさいましたでしょうか?」

お客「いかがなさいましたか、じゃないわよ。あんたんとこでこないだマッサージチェア買ったのよ。40万もしたのよ!」

店員「大変高額なお品ありがとうございます」

お客「ほんとよ~、でも操作の仕方がわからないのよ。お店のお兄さんなら使い方教えてくれると思って電話したのよ。すごくやさしく勧めてくれたから」

店員「ええ」

お客「そしたらどう言ったと思う?」

店員「何かお気に障るような対応でもございましたでしょうか?」

お客「あったわよ。『取扱説明書がついてると思いますので、読んでいただければわかりますよ』って言われたのよ」

店員「え!?それは失礼いたしました。不適切な対応、心よりお詫び申し上げます」

お客「説明書に書いてあることくらいわかってるわよ。でも小さい字で読みにくいのよ。だから聞いてるのに。なんかびっくりしちゃったわ。オススメしているときはすごい愛想のいいお兄さんだったのよ。この人から買ったなら、アフターサービスのしっかりしてくれそうだからと思って買ったのに。すごいショックよ」

店員「大変申し訳ございませんでした」

お客「もういいわ。今日はその商品を返品したいと思ってきたの。自宅まで取りに来てくれるかしら?」

店員「さようでございますか、ご面倒をおかけしております。あのお客様、対応させていただいたスタッフの名前は覚えてらっしゃいますでしょうか?」

お客「いいのいいの、その子の顔もつぶしたくないし、どなたか取りに来てくれればそれで結構よ」

店員「お客様、優しいお言葉ありがとうございます。こんな優しいお客様に会ったのは初めてでございます。どうかそのようなお気遣いはなさらず、スタッフの名前をお伝えください。スタッフから電話を差し上げ、お詫び申し上げるようにお取り計らいいたします」

お客「いいのよ、そんなことしなくても。もう済んだことだし。ただもうちょっと親切にしてほしかったなって思っただけよ」

店員「まったく仰るとおりでございます。特にお客様のように40万円もする高額商品をご購入していただいた方には、アフターサービスも普段以上に努めるのが当然でございます

お客「いやあ、まあ。そうだと嬉しいね」

店員お客様、差し支えなければ、私のほうで使い方をお調べしてお伝えすることができますがいかがでしょうか?これなら販売スタッフに直接お客様の申し出を伝えることもありませんし、お客様の「スタッフの顔をつぶしたくない」という優しさに沿うことも可能と考えます。また、販売スタッフには全体的にアフターサービスを徹底させるように計らいます」

お客「そう、じゃあ教えてもらえるかしら」

こうして見事にお客のクレームはおさまり、返品を防ぐこともできました。


クレームが起こる根本には、怒りの気持ちがあります。怒りの気持ちは誉めて称えることで鎮めることが可能です。事例では、お客は、無礼な扱いを受けたことに腹を立てています。事例のクレームに限らず、多くのクレームは「お客として大事に扱われなかった」「購入した商品に欠点や欠陥があった」という理由が大半です。そんなクレームが起こったら、お店側の非はきちんと認め、さらに誉めるのがうまい対処方法になります。


お客にとって「非と認めてもらう」のは当然のこと。そこに「ほめる」ことを加えると、お客は期待以上の対応をされたことになり、気持ちが満たされます。どんなお客も特別扱いには弱いのです。



  • 「よりによってお客様のように当店を長くご愛顧いただいてる方に」
  • 「お客様のように品質にお詳しい方からの貴重なご意見は大変参考になります」
  • 「こんな大きなお買い物をしていただいた方に失礼をいたしました」

こんなフレーズを使って普通のお客とは別格に見ていることを強調すると、より伝わりやすくなり、こちらからの意見や説得も聞き入れてもらいやすくなります。嬉しい気持ちにさせれば、気持ちも素直になってくるのです。


心を傷つけてお客をクレーマー化させてしまったら、持ち上げて機嫌の回復をはかるといいでしょう。